’16
Aug
21
ホゴケン GO / 保護犬ボーダーコリー #010 ラプ
【 ホゴケン GO 】シーズン1_#10
「Happy go Lucky」
正式譲渡契約書を、本日、送付いたしました。
1通を署名押印後、返送してください。
これにより、正式に仲里家の一員となります。
終生、どうぞ宜しくお願い致します。
日曜日よりの使者 Lapuのトライアル期間が終了した。食事・散歩時間・トイレ関連~生活にまつわるあれこれを書き込んだ日報を送付し、この返信が来た時は嬉しさもあったが同時に緊張感も生まれた。当たり前だが『終生』なのだ。物忘れが激しくなり、目はかすみ、少しづつ遠くなる耳を抱えたこちらの終生も含めてなのだ。メールを読み終え、あらためてLapuを呼び寄せた。今日から正式にこの家が住処になったこと、大阪弁に慣れること、挨拶はきちんとすること、履物は必ず揃えるこ… 履いてないな、健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみの…おいこら、人の話を聴いてる最中に寝転ぶな。
犬や猫と暮らすということには慣れているつもりでいたがトライアル期間に多くの気付きがあったのは紛れもない事実だ。取り分けこれまでの大小のプードルたちと彼は全然違う。♂♀の違いはあるにせよ犬種的にもやはり活発であり、ドスンバタンという響きが新しい生活音として加わった。如何にほどよく疲れさせるか、退屈させないかという日々のミッションも課せられた。子育てを終え、我が年齢も半世紀を過ぎ、これからは好きなことをノンビリ…と思っていたが、最も期待していた『ノンビリ』が外されてしまった。自分の性格的にも血筋的にもバタバタと忙しないのは不向きであり、努力という二文字にもまるで興味がない。しかし今、そうも言ってられない事態が起ころうとしている。
断っておくが彼は普段はとても大人しく従順で無駄吠えもせず、かなりやりやすいタイプである。しかし一日のどこかでスイッチが入る瞬間があり、ひと度そうなると あてがっている部屋が彼の競技場になるのである。彼にはファンファーレ~試合開始のホイッスルが聞こえるらしく、ボールを追いかけ跳びかかり、デンタルボーンが宙を舞い、彼自身も勢いで戸にアタックする音がする。自分自身決して静寂を好むタイプではないがこのテの騒音は好きではない。育ってきた環境が違うから好き嫌いは否めない。夏がダメだったりセロリが好きだったりするものだ。まぁ全ては今後の課題だ。お互いでどうにかしよう。Happy go Lucky ぼちぼちいこう。最後にひとつ大事なことを伝えよう。もうこれからは新しい自分の名前を覚えなくてもいいということだ Lapu! (おわり)