’16
Aug
12
ホゴケン GO / 保護犬ボーダーコリー #008
【 ホゴケン GO 】シーズン1_08
「走れラプ!」
ロングリード(30m)を最大限に活かせるもっと広い芝生で走らせてみようとLapuを車に乗せてある場所に向かった。人の少ない広い公園は限られているし、より自由に走らせる(と言ってもリードの範囲だが)となると時間帯も考慮しなければならない。目的地に到着ししばらく車を進めているとふと前方にドッグランがあるではないか!そのことを全く知らずに来た我々はこの偶然に素直に従った。かなり広いドッグランだ!これでノーリードで自由に思いきり走らせてやることが出来る!更なる嬉しい偶然はこの日ドッグランに他の犬が居らず、貸切状態にあったことだ。解き放たれた広い敷地で彼がどう行動するのかとても興味があったし、何より彼の真の激走が見れるかも知れないという期待に胸が高鳴った。
手続きを済ませドッグランのゲートを閉め、先述の期待を胸に首輪からリードを外した。自由を手に入れたLapuはロケットスタートを切り猛ダッシュで流星のごとくスピードを上げ、あっという間に小さな点になっ… おい!走れよ。。。何をいつもの散歩のような歩き方をしているのだ!今お前はほとんど自由なのだ!こんなに広いのだから、せっかくボーダー・コリーに生まれて来たのだから向こうまで思い切りお走りになってみてはいかかでしょう? という具合で我々の期待は見事に打ち砕かれた。有料のドッグランと無料の公園との違いを教える必要があるが、経済的な観念はまだ1歳半の彼には難しいであろう。
その広いドッグランを有する施設はトレーナーが預託訓練を請け負う施設であった。その日ドッグランの外では複数の大型犬のトレーニングが行われており、Lapuはそこへ興味を示し近づいたり離れたり周りの匂いを嗅ぎまわったりしていた。が、流星の走りは全く見せない。陽も傾き閉館時間の19時まであと30分であった。そんな我々の心情を察知してくれたのか若いトレーナーのお兄さんが訓練中のゴールデン・レトリバー『Kちゃん』を連れて来てくれた。説明によるとKちゃんはとても犬好きで遊び上手だとのこと。Kちゃんのリードが外され彼女はLapuを遊びに誘う仕草を始めた。耳の形状をあれこれ変えながら小走りに近づくLapuは、Kちゃんの『私をつかまえてごらんなさい!あ~っはっはっは…あれ?? じゃあこのサッカーボールを私から奪ってごらんなさいよ!オ~ホッホッホッ』という誘いの行動に戸惑っている様でトンチンカンな態度で応対し、それを見守る我々をも戸惑わせた。Kちゃんの頭に『え?マジで!?あんた遊び方を知らないの??』というフキダシが見えた。
(つづく)→#009