STUDIO POOL—BLOG

’15

Dec

7

曽和博朗 師

曽和博朗師

能楽幸流小鼓方の人間国宝・曽和博朗さんがお隠れになられました。
今から丁度4年前、2011年の12月に友人のポンちゃんを介して
曽和博朗さんのお孫さん曽和尚靖さん(現/曽和鼓堂 氏)から
米寿の記念にと掛け軸画の依頼を受けました。

人間国宝の肖像画を描くというこれまでにないプレッシャーと名誉なお仕事でした。
がしかし、普通の肖像画ではなくデフォルメされた肖像画というリクエストで、
人間国宝の小鼓方をデフォルメしそれを掛け軸にするという難題に
当時は正直心中穏やかでなく悶絶しつつ何度も何度も描き直したのがつい先日のようです。

肖像画を描くためには写真が必要ですが、
米寿のお祝いのサプライズプレゼントなので隠密に事を運ばなければならず、
記者を装いインタビューという形で撮影をさせていただきました。
予想以上にお話が面白く鼓の造りや演奏法、
戦時中は鼓の腕を買われ通信兵としてご活躍されたエピソードは今も忘れられません。

その後もまた米寿祝賀能やお誕生日会の引き札制作依頼を受け曽和博朗さんを描き、
デザインもさせていただきました。
80年近く小鼓を打ち続けられたその右手はとても特徴的で
特に親指の大きさは驚くほどに左右非対称でした。
本当に貴重な経験をさせていただきただただ感謝です。
在りし日のお姿を偲び心よりご冥福をお祈り申し上げます。

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