’14
May
11
YUTAKA GARAGE
僕は昨日から胸の奥に何かがつっかえています。
それは YUTAKA GARAGE に行ってしまったからに他なりません。
おもむろに ゆたさんから『このジャガー買うてくれへん?』と言われ、
初めは冗談と思ってたらどうやら真面目な話の様で
10分後にはその気にさせるあの手この手の話術を持った恐ろしい人でした。
それは決して無理強いではなく、自分の言い訳をポジティブに変化させ、
しかも夢見心地なシーンを想像させる占い師の様なテクニックでした。
このフォルムを見て乗りたくないと思う人間は少ないというのを熟知していて、
どんな言い訳をするかも熟知していて、対応策も熟知していて、
いつのまにか僕の心がジュクジュクになっていたのです。
嘘偽りも大袈裟も紛らわしさもなく、
親切丁寧で愛のある説明に自分の固唾をのむ音がはっきりと聞こえました。
そしてそれはトキメキへと変わり、その気持ちを悟られまいとしながら
我々は食事に出かけました。が、街の薄明かりはヘッドライトを彷彿させ、
お好み焼きの鉄板を見てもボンネットを思い出し、
突き出しに出てきたポテトサラダからじゃがいも→ジャガーになるほど
心奪われた自分が居たのです。
若い頃、決して手の届かない身分の違う女性に
恋心を抱いた時のような昔を思い出そうとしましたが
その経験はないので無理でした。