’13
Nov
1
Duabar ~ ハロウィン
昔々、ハワイでハロウィンを体験した。
日本ではまだその風習がなかったのでそれはそれは驚いた。
ハイテンションな老若男女が様々な仮装で街を練り歩き、酔ってタガの外れたタイプは奇声を発しいつものワイキキとは全然違う光景。
しばらく堪能したあと車で帰りながらも通りを歩く様々なキャラクターや、運転しているゾンビやガイコツを車窓から楽しんだ。
繁華街を離れ赤信号で車を停止した際、ふいに対向車を見ると開いた窓から大きく顔を出しやんちゃそうな白人がこちらに向かって何か叫びながら車を近づかせて来る。窓から出したその手はお前のことだ!とこちらを指している。
来た。とうとうこんな日が来てしまった。
いわゆるほんまもんのヤンキーが来たのだ。
平和なハワイもこの日ばかりは映画で観るようなアメリカと化すのか。
眉間にシワを寄せた白人がずっと何かを言いながらゆっくりと近づく。
ハンドルを握る手に力が入る。何もかもを覚悟し、至近距離まで来たその声に集中した。
『ヘッドライト点け忘れてるで!警察に見つかったら捕まるで!』
ハワイええとこ。ええ人ばっか。