STUDIO POOL—BLOG

’13

Oct

31

おっちゃん

『おっちゃん』

今を去ること二十数年前、友人のゆうちゃんに息子が生まれた。
その息子が2歳か3歳になった頃アンパンマンの画をラクガキしてあげた。
その日から今だに彼ら兄弟は自分のことを『アンパンマンのおっちゃん』と呼ぶ。
電話をかけてくる時も『アンパンマンのおっちゃん今、家?事務所?』とか先日展覧会に観にきてくれた際も同伴した彼女に『アンパンマンのおっちゃん』と紹介され、会話の中でも『アンパンマンのおっちゃん』という長いフレーズをスムーズに放り込んで来るのだ。
20年以上もそう呼ばれてるのでこちらも何の抵抗もない。

今を去ること15年ほど前、親しくしてもらってるA社の女子たちが自分のことを『プールのおっちゃん』と呼び始めた。その頃は既に自分にも息子が居たし間違いなくおっちゃんだったので無論何の抵抗もなかった。

それから数年後、今の仕事の相方の嫁がごく自然に自分のことを『おっちゃん』と呼び始めた。この頃ちょうど子ども以外にも一人称で『おっちゃん』と言い始めている自分に気づく。

そして昨日、ある学生さんが事務所に来ていた。色んな話をしているうちに一人称が当たり前に『おっちゃん』になっていることに気づいた。僕とかオレとかワシではなくごく自然に『おっちゃんの場合…』とか『今はおっちゃんの時代とまたちゃうからなー』という様なことを無意識に口にしていたのだ。

『おっちゃん』

なんという耳に口に心地よい響きであろうか。
親近感はもちろん、そう呼ばれただけでなんか奢りたくなる様な心境にさえなる。

きちんとした順を経て(ここ肝心)苗字で呼ばれるより身体に馴染むところまでやっと来た。

おっちゃんは嬉しい

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