きっぱりと冬が来た

自宅前の森。
春夏には青々と萌える緑も秋には紅葉し今はすっかり冬景色。
一年が終わって行くのだなあとたまにはしみじみ。
夏しか好きではなかった若い頃に比べ
歳のせいかこの頃は冬の景色も匂いも好きである。

そしてこの時期になると決まって思い出すのが
高村光太郎の「冬が来た」である。

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「冬が来た」　高村光太郎
　
きつぱりと冬が来た
八つ手の白い花も消え
公孫樹（いてふ）の木も箒（はうき）になつた

きりきりともみ込むやうな冬が来た
人にいやがられる冬
草木に背（そむ）かれ、虫類に逃げられる冬が来た

冬よ
僕に来い、僕に来い
僕は冬の力、冬は僕の餌食（ゑじき）だ

しみ透れ、つきぬけ
火事を出せ、雪で埋めろ
刃物のやうな冬が来た

ことば